［＊＊＊＊＊＊回想＊＊＊＊＊＊］
「お前ら服買いに行け」
ホレ、金ならひとまず貸してやるから。
そう言って波児さんはオレに諭吉さんを渡してくれました。
おお…久々に見る諭吉さん。一番最近見た諭吉さんは蛮ちゃんの超大作諭吉さんだったもんね。
「さすがにお前等…その服、バトルに相次ぐバトルでボロボロじゃねえか」
言われてみれば…。オレも蛮ちゃんも仕事着ヨレヨレ。
悪ぃな、もらっとくぜ、と言う蛮ちゃんに波児さんが、ツケとくから安心しろって言ってる。
ふと、オレはあることに気が付いた。
「そういえば蛮ちゃんと買い物って初めてだよね〜♪」
「…あぁ！？ああ、まあそういや…」
言い争いを一時中断して蛮ちゃんがそう言って冷えかけたコーヒーをすすった。
そしたら、夏実ちゃんがこう言ったんだ。
「じゃあ初デートですねｖ」
そっかぁ、言われてみればそうなるのかな？
「あ。そっかー…デートだね♪」
そう言ったら、蛮ちゃんは鬼の形相でコーヒーが入ったカップをカタカタ揺らしながら
「お…俺様が銀次とデートだとぉーーー！！？」
って急に叫んだんだよ？
…なんでかな、波児さんがすごく不憫そうな顔して蛮ちゃんを見てたよ。
あは、波児さんってたまにお父さんみたいだよね！
【デートプラン；街に洋服を二人で買いに行く】
で、蛮ちゃんと買い物に来たのはいいんだけど。
オレってすぐに迷子になったり寄り道したりしちゃうから
蛮ちゃんの服の裾つかんだりして、いい感じだと思ってたんだけど
蛮ちゃんが照れてたり怒ってたりで大変だったんだけどね？
なんかさ、服屋さんに来てからというものの、
妙に真剣な顔でずっと丈短いズボンばっかり進めてくるんだよ。
えええぇぇえ…オレもさっき蛮ちゃんが買ったみたいな格好いい感じの着たいよ！
「あ、この上着良いかもv」
「銀次、それにならこのハーフパンツが合うと思うぜ？」
え、また短いの！？
ん〜〜…まあしちゃくしてみよっかな〜蛮ちゃんがこんなにオススメってことは似合うかも知れないしね！
こうしてオレは夏中生足を晒すようになるワケなんだけど。
蛮ちゃんと相棒、兼、恋人になったのは、この時よりもうちょっとあとの話。